WWDC23で発表されたAppleの空間コンピュータ「Vision Pro」。誤解を恐れずに言えばVR/ARヘッドセットにくくれると思いますが、空間コンピュータと称する理由がわかっちゃったのでそう呼ばせてください。
そんな「Vision Pro」を先行体験させてもらいました。そして、語彙力を失い、用意していた質問リストの内容も頭から飛びました。
感動した。本当にすごい。
これから何がすごいかを話していくんですけど、
・完成度がすごい。半端じゃない
・普通の人でも使う理由がちゃんとある
この2つなのかなと思います。
Vision Proを使うための設定とその流れ
まず、Vision Proをパーソナライズするための設定を行ないます。そこから体験が始まりました。
1. 視力検査
近眼の方の場合、追加で専用のレンズをセットする必要があります。
2. 顔の形のスキャン
Face IDと同じくiPhoneで顔をスキャンします。
3. 耳のスキャン(空間オーディオ)
iPhoneで左右の耳をスキャンします。
4. 装着して体験デモ開始
装着して、アプリを使ったり、映画をみたり、360度の3D映像を見たり、恐竜が出てくるインタラクティブなアプリを体験したりしました。
Vision Proを体験してわかったこと
Q1. 装着の仕方は?バンドの調整はどうやる?
後ろのバンドを後頭部に当ててから、ゴーグルを下ろすように装着します。右側のダイヤルを時計回りに回すとバンドが閉まります。トップバンドもあって、それはベルクロ(Apple Watchのスポーツループみたいなやつ)で調整します。
Q2. 圧迫感はありましたか?
バンドが気持ちいいので、かなり締めても平気。頭は痛くならなかった。30分しか使えてないけど。
Q3. 鼻の隙間から外は見える?
残念ながら見えます!
Q4. 重量感は?
正直にいうと、ものすごく軽いとは言えません。
でも他のゴーグルに比べると軽いです。ただ、つけてるとやっぱり「着けてるな」って感覚はあります。振り回した時に遠心力で持っていかれるような感覚はなかったので、バランスはいいです。
Q5. 両眼のレンズの調整方法は?
この手のゴーグルは人によって左右の目の間隔が違うので、両目のレンズの感覚を調整しなければなりません。
これはガイドに従って画面に映った緑色の丸を見ながらDigital Crownを長押しするだけでした。中のレンズが勝手に動いて調整してくれました。
Q6. アイトラッキングの設定方法は?
6個の点が真っ白な画面上に順番に表示されるのを見つめていきます。その後、真っ黒の画面になって同じように6個の点を目で追っていきます。これで完了です。
Q7. アイトラッキングの精度?
超正確です。本当にびっくりした。
Keynoteの映像はレスポンス良かったけど、あれは全く嘘じゃないです。30分体験して、思ったのと違うアイコンにいってしまったのは1回だけでした。
Q8. 視野角は?
特別広くはない。
Q9. UIの操作性は?
これも本当に精度がいいです。
視線で選択したあと、指でつまんで確定、つまんだまま腕を上下左右に動かすとスクロールやドラッグができます。30分くらい試して、クリックに失敗することはなかった。間違えてクリックしたら、つまんだ指を離さずにごちゃごちゃっと誤魔化すとキャンセルできます。
Q10. パススルー映像はどう?現実との乖離感は?
かなり綺麗です。
歪みや位置のずれはほとんどなくて、現実と比べても違和感がありません。手元のバッグを掴んだりする動作も可能。
画質は現実と比べるともちろん荒いですが、不快ではないです。iPhoneで暗いシーンでで写真を撮ると感度が上がっていってモヤってしたディテールになることがありますが、それに近い荒さです。手元にリアルの本がありましたが、文字は識別できました。
Q11. Visionアプリの文字は読めるレベル?
Visionアプリの文字はめちゃくちゃ綺麗で、ちゃんと読めます。
写真もものすごく綺麗に見えます。感じる色味がiPhoneのディスプレイとかに似ていてさすがだなと。
Q12. ウィンドウの前に手が重なった時に切り抜き感はありますか?
アプリによります。
アプリアイコンとかUIの上に来ると綺麗に切り取られてるんだけど、写真とか解像度の高いものは少しエッジが荒かった気がする。
Q13. リフレッシュレートは?
90Hzです。
Q14. 酔う?
僕はVR酔いしやすいんですけど、ARで使っている分には酔いませんでした。
完全に没入するVRコンテンツを楽しむ場合は、カメラワークによっては酔うことはあると思います。ただ、リフレッシュレートなどのハードウェア的な不足で酔うことはないでしょう。
Q15. 空間オーディオはどうだった?
AirPods Proより3D感すごかった。なんで?
Q16. 音漏れはする?
スピーカーなので音漏れします。AirPodsを使おう。
Q17. 熱は? 使ってて疲れる?
30分では首も目も疲れなかったし、暑くもならなかったです(乾燥気候だし、部屋は涼しかった。日本の夏だとわからない)。
バンドが緩かったみたいで少しゴーグルがズレることはありました。ゴーグルを直してもアイトラッキングの精度が変わらなくてびっくり。
Q18. 腕は疲れる?
膝上とかで操作していれば疲れません。ジェスチャはかなりの範囲で認識します。
Q19. スイートスポットはズレる? スクリーンドア効果は?
スイートスポットはかなり広い。超端っこだとやや荒いかな?くらいです。
スクリーンドア効果は感じません。
Q20. 普段のモニターの代替として常用できそう?(普段の仕事と同様のパフォーマンスが出る?)
試せなかったけど、Macのモニターをでっかく表示するだけで十分仕事できるはず。
Q21. Macのディスプレイとして何画面出せる?
基本1画面みたい。
ただ、Visionアプリと併用できます。
また、MacのキーボードやマウスでVisionアプリの操作もできます。
Q22. 暗闇でも操作できる?
できます。
Q23. コンタクトレンズをつけていても使える?
使えます。メガネをしたままでは使えなくて、専用のレンズが必要です。
Q24. 本体の薄さはどれくらいですか?
ディスプレイ部分だけ見ると薄いんだけど、パーツを全部組み合わせると普通のVRゴーグルくらいの厚みになっています。
Q25. 横幅はどのくらいでしたか?
普通のVRゴーグルくらいあります。
Q26. 斜視でも使える?
度合いによるけど基本使えるらしいです。もしアイトラッキングがうまくいかない場合は、アクセシビリティで片目だけで使うモードがあります。
Q27. マルチユーザーに対応してる?
パーソナライズが必要なのでマルチユーザーではありません。
ゲストモードはあるらしいです(ちょっと人に貸す時用)。
Q28. 「ネクストiPhone」になれそう?
なるでしょ。
Vision Proを体験しての感想
3D映画もすごい立体感だし、画質いいし最高だった。立体感だけでいえば映画館超えてるかもしれません。
FaceTimeもめちゃくちゃ良かったです。気になるのはリアルよりも表情が固いくらいでした。あと、接続が切れるときに一瞬で魂が抜けて真顔になって他のが面白かったです。
コントロールセンターもあるそうです。音量調整とかできるみたい。
聞けなかった質問
・外側のディスプレイはオフにできる?
・給電は何W?AC給電は?バッテリーの容量は?パススルー給電?
・吸気、排気口はどこ?
・各アプリ毎にミュートできますか?
・ディスプレイの付属してないMac studioなどでVision Proのみを外部出力として使えますか?