再現度は微妙ながら。
来たる9月は毎年新型iPhoneが発表される月。この時期は、iPhoneユーザーにとって「今年は買い替える…かなぁ」と心が揺れ始める季節でもあります。
そんな微妙な心理に便乗するかのように、先日新たな折りたたみスマホ、Galaxy Z Fold5・Galaxy Z Flip5を発売したSamsungが、iPhoneユーザー向けの施策を打ち出してきました。
iPhoneで2画面ある状態を擬似体験できるアプリを公開したんです。ただそのアプリだけでは、折りたたみの本当の良さは伝わらなさそうです。
2つのiPhoneを連携させて折りたたみ体験
Samsungはブラウザアプリの「Try Galaxy」をアップデートし、「Fold Experience(折りたたみ体験)」機能を追加しました。その中では、ふたつのiPhoneを連携させて、Galaxy Z Fold5ライクなマルチ画面状態を(かなり限定的ながら)再現しています。
iPhoneユーザーがTry Galaxyアプリを使うには、SafariでTry Galaxyのサイトにアクセスし、アプリを「ホーム画面に追加」します。ちなみに記事翻訳時点で、「Fold Experience」は日本語版には入ってなかったので、試したい方はこの画面で「English」を選んでください。
3つのアプリを体験
Fold Experienceモードで使える「アプリ」は3つだけ、「Game」「Immersive View」「Multi-tasking」です。
「Game」でプレイできるのはエアホッケーのみで、自分だけでのプレイと、友だちとの対戦プレイから選べます。「Immersive View」では、動画が2画面横断して表示されるっていう趣向らしいのですが、米Gizmodoのテストでは1画面にしか表示されず動作確認できませんでした。
「Multi-tasking」は、Galaxy Z Fold5でアプリを複数起動する方法をデモするという趣旨です。片方の画面で動画を再生しつつ、別の画面でアプリをふたつ立ち上げておき、架空の友人から来るメッセージを読んだりできました。
ただGalaxy Z Fold5を開いたときの本当の楽しさは、あらゆるアプリを好きなように組み合わせて開けるってことです。たとえば全画面で動画をストリームしつつ、小窓でRedditをチェックするとか。Try Galaxyアプリで試せるのはそのごくごく一例に過ぎません。
Try Galaxyアプリでは他にも、カメラアプリの中にGalaxy Z Flip5のフレックスカメラの便利さをアピールする動画があったりします。Galaxy Z Flip5は、外向き画面を立てた状態でどこかに置けば、画面がファインダーになるし、三脚代わりになるからセルフィーよく撮る人には便利ですよね。
本当の使い心地はハンズオンで
今のところ、こういう機能の使い心地をちゃんと確認するには、やっぱり実物に触ってみるしかありません。Samsungは世界各地で折りたたみを体験できるショーケースを開いていて、日本でも東京・原宿のGalaxy Harajukuや渋谷の「Galaxy Pop-up Studio SHIBUYA 109」、大阪・難波の「Galaxy Studio Osaka」といった場所でハンズオンが可能になってます。
ただ、Samsungは現在折りたたみスマホ市場をリードしていますが、折りたたみ市場自体がまだまだニッチです。調査会社DSCCのアナリスト、Ross Young氏は、全世界の折りたたみスマホの出荷台数は前年対比で42%増加していて、第3四半期には690万台に達すると推定しています。それでもスマホ市場全体を見ると、IDCによれば2022年だけで12.1億台販売されていて、折りたたみはほんの一部に過ぎないことがわかります。
そんな折りたたみスマホ市場をますます拡大していけるのかどうか、このTry Galaxyアプリがそこにどれくらい貢献するのかはわかりません。ただ、擬似体験アプリでは伝えきれない、1画面のスマホとは違う体験があるってことは、間違いなさそうです。