消費社会の裏側にスポットを当てるアートです。
現代社会では日々さまざまな製品が世に送り出されますが、中には不具合が見つかりリコールの対象になった上、改善もしくは回収されたままお蔵入りになるものがあります。
そんなリコール製品が、デジタル・アートへと姿を変えました。
bOinGbOinGが取り挙げたこの作品名は、「CONSUMERS SHOULD IMMEDIATELY...」。直訳すると、「消費者は直ちに……するべきだ」という意味になります。この作品は一度リコール対象になった子供用の長靴を改造し、米国消費者製品安全委員会からのリコール最新情報を常にディスプレイに表示する、というもの。
これを作ったのは、サンフランシスコでファイン・アートと工業デザインの間に位置するような作品を生み出しているアンドリュー・クレインドルフさん。この作品はリチウム電池と充電器が内蔵され、3D印刷されたブラケットに収まったディスプレイに、何千というリコール情報が2分毎に更新されてゆきます。
中身はAdafruitのCPUボード「CircuitPython」と、インターネット・ディスプレイに「PyPortal - CircuitPython」が使用されています。リコールの理由は発火や感電、閉じ込めや窒息などさまざまな事故により発覚したものが多く、ディスプレイには特定された危険の原因や製品名とメーカー、リコール指定された日付が表示されます。
大量消費社会の裏側にある現実を、虹色のユニコーンが次々にお知らせする、シニカルかつ実用的な芸術作品となっています。考えさせられますね。
Source: EXTRASLEEPY via bOinGbOinG, Instagram