iPadでドレスデザインに挑戦。世界的デザイナーに学ぶワークショップ

  • author 武者良太
  • X
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …
iPadでドレスデザインに挑戦。世界的デザイナーに学ぶワークショップ

ブラシの形状という素材が、デザインの発想力をより豊かにしてくれます。

iPadはお絵描きをはじめとしたクリエイティブツールとして、たぶん世界最高峰の存在じゃないかなって思うんです。でも美術スキルに自信がないと、作ってみようチャレンジしてみようとは思えなくなっちゃうのが現実。昔から抱いている苦手意識って、そう簡単には取り除けないですよね...。

DSC00776_R
Photo: 武者良太

でもそんな「僕にはムリですから」という気持ちを忘れさせてくれる、興味深いワークショップデ⁠ザ⁠イ⁠ン⁠ラ⁠ボ⁠:ト⁠モ コ⁠イ⁠ズ⁠ミ⁠と⁠つ⁠く⁠る色⁠彩⁠とデ⁠ザ⁠イ⁠ン⁠に⁠よ⁠る自⁠己⁠表⁠現」が7月6日、Apple丸の内で開催されました。

トモ コイズミさんによるiPadを使ったセッション

0002_DSC00191_R
Photo: 武者良太

東京五輪の開会式で、MISIAが着ていたカラフルなフリフリドレスに覚えがある方もいるでしょう。あの衣装を作り上げたのが、身体に鮮やかな花が群れているかのようなデザインのファッションを作り続けているドレス/コスチュームデザイナート⁠モ コ⁠イ⁠ズ⁠ミさん。

DSC00802_R
Photo: 武者良太

トモ コイズミさんがApple丸の内のToday at Appleに参加するとあって、ブースには老若男女とわず、多くの人がかけつけました。

ワークショップで使われたのは、iPadデジタルイラストレーションアプリProcreate(プロクリエイト)」です。しかしこの日の内容はProcreateの使い方講座にはとどまりません。ゴール地点はドレスのデザイン。トモ コイズミさんのお話からインスピレーションを受けて、独自性豊かなドレスのコンセプトデザインを作るのが目的となっていました。

自分だけのブラシデザインを作り上げる

DSC00044-強化-NR_R
Photo: 武者良太

来場者が最初に取り組んだのは、ブラシの作成です。

クリエイティブアプリにおける通常のブラシといえば、中心が濃く、周囲がかすれているような形状が一般的ですが、ここではトモ コイズミさんが作ったブラシなど、あらかじめ用意された3つの形状をもとに、自由気ままなカスタマイズやカラーの設定を行なって自分独自のスタイルを作り上げていきます。

DSC00075-強化-NR_R
Photo: 武者良太

Procreateには多くのブラシ形状のセッティング要素が備わっています。柔らかめな描きごこちにする、オイリーな画材を使っているときのようにヌルっとした描写にする、レイヤーを重ねてふんわりと光らせるなど、好みのスタイルを追求することが可能です。

DSC00825_R
Photo: 武者良太

さらに好みの色を組み合わせることで、鮮やかなブラシとしていきます。

DSC00125-強化-NR_R
Photo: 武者良太

Procreateの面白いところは、ブラシに色相の異なる複数のカラーを設定できるところ。この段階から良い見栄えとなるようなカラーコーディネートができるのです。

DSC00091_R
Photo: 武者良太

トモ コイズミさんも次のようにアドバイスしていました。

ブラシを作っている途中でちょっと違うなと思ったら、違う色を組み合わせてみて調和を取ってみてください。諦めないでちょっとずつ調整していくのが大切です

ブラシ形状や色をチューニングしたら、すぐにApple PencilをiPadの上ですべらせて出来栄えを確認できる。設定画面と描画画面の行き来がしやすいProcreateだから、自分のアイデアをすぐに反映させられるんですね。

まずは一回完成させることが大事

DSC00122-強化-NR_R
Photo: 武者良太

自分だけのブラシが決まったら、トモ コイズミさんが用意したモデルのテンプレートの上にドレスを描いていくステップに入ります。

DSC00173_R
Photo: 武者良太

実際にどうやって縫製するんだろう、本当に完成できるだろうか、といったことは一切考えず、感じたままのスタイルをiPadの画面のなかで広げていきます。下手だったらどうしよう、という気持ちもいまは棚の上においておき、自由な気持ちでApple Pencilを動かしていきます。

僕が初めて服を作ったのがたぶん、14歳、15歳ぐらい。見様見真似だったので、服のようなものができただけでしたけど、でもすごく感動しました。成功体験というかそういうことの積み重ねで自信がついていきました。だから下手でも1回とりあえず完成させてみる、というのが大事だと思っています。人に見せたら「意外といいじゃん」ってなる場合もありますし

トモ コイズミさんも、まずは作ってみる、描いてみることの大事さを教えてくれました。

DSC00847_R
Photo: 武者良太

色のチョイスももちろん重要です。複数の色を使うことで不協和音とならないよう、馴染みのいい色と色を並べ、重ねます。中には色相環を活かした選択をしている方もいらっしゃいました。

十人十色で千差万別なカラフルドレスたち

DSC00214_R
Photo: 武者良太

来場者のみなさんがデザインしたドレスが完成しました! スタイルもカラーも十人十色で千差万別な作品が紹介されると、場もいっきに華やかな雰囲気となりました。ドレスはもっと自由でいい、ということを改めて考えさせてくれる時間ともなりました。

DSC00234-強化-NR_R
Photo: 武者良太
DSC00253-強化-NR_R
Photo: 武者良太

トモ コイズミさんの講評も入り、温かい雰囲気のワークショップでしたね。

最後に、トモ コイズミさんにiPad & Procreateのおすすめポイントをお聞きしました。

Procreateは自分も結構使っています。あれだけブラシがたくさんあって機能がいっぱいあるのに、感覚的に使えるようになっているところがすごいと思うんですよね。だからエントリー向けアプリとしても問題ないですし、1回購入したらずっと使えるから、1日中遊べるようなものですよね。そしてかなり奥が深いところもある。プロ仕様でもあるから、自分もデザインで使ってクライアントに出すときに使ったりしています。本当に年齢問わず、職業問わず、楽しく使えるものかなと思いますね

Today at Appleは全国のApple Storeで開催されています。 アップルデバイスの活用法を知りたい方は、ぜひお近くのApple StoreのToday at Appleスケジュールを確認して、申し込んでみてくださいね。