アナログへ戻ろう!
いまや子どもたちの学校教育にも、着々とデジタル化の波が訪れています。しかしながら、この流れに逆行するかのような新教育方針が、このほどスウェーデン政府によって推奨されたそうですよ。
デジタル教育への懸念
The Guardianは、スウェーデンのLotta Edholm教育相が中心となり、紙の教科書を用い、手書きのノートを取って教育を受ける重要性が強調されていることを報じました。
先月、スウェーデンの教育委員会は、さらなるタブレット教育推進のため、幼稚園の段階からタブレット端末を支給して活用していく方針を提言。
この提言を不適切とし、いきすぎた教育のデジタル化に歯止めをかけようという動きなんだとか。
デジタルツールは生徒たちの学びを向上させるというより、阻害してしまうことを示す明確な科学的根拠がある。紙の教科書ならびに(人間の)先生の授業を通じて知識を得る方向性へと戻るべきであり、正確性が保証されない無料のデジタル情報源に頼って知識を得ることに重きを置くべきではない。
スウェーデンのKarolinska Instituteは、今回の教育相の推奨方針発表に合わせ、このような声明を出しました。
小学4年生を対象に、国際的な学力判定指標となる「Progress in International Reading Literacy Study」のテストが実施されたものの、前回の調査でスウェーデンの成績は大幅ダウン。そこに危機感を覚えた政府が、学力低下はデジタル化のせいとの判断を示した形ですね。
AIを教育にフル活用してよいものか? いまそんな議論も沸騰中ですけど、それ以前にデジタルツール活用にさえ待ったをかけるとは、なかなかのものでしょう。でも、紙に手書きという文化に共感を覚えてしまうのは、これもジェネレーションギャップゆえのもの…?
Source: The Guardian