宇宙に向かうのは、地上の発射台から打ち上げられるロケットで。
そんな常識を覆す、上空を飛ぶ飛行機からの空中発射で宇宙空間を目指してきたVirgin Galactic。
残念なことに、同じようなシステムで次々と宇宙へ小型衛星を打ち上げるVirgin Orbitの事業は暗礁に乗り上げてしまいましたが、宇宙旅行ビジネスはまだまだ健在のようです。
専用機のテスト飛行は順調
Virgin Galacticは、先月末に宇宙船の｢VSS Unity｣を、打ち上げに用いられる母艦となる｢VMS Eve｣の飛行機から、上空で切り離して発射。そのまま安全に飛行してニューメキシコ州のSpaceport Americaまで自力で着陸して帰還するテストフライトに成功したと発表しました。
高度4万7000フィート（約1万4300m）での空中発射というテスト環境で、問題なくグライダー飛行できたことを受け、次回のテスト飛行ではロケットエンジンに点火し、さらに宇宙空間に近い高度を目指すとの目標も明かされています。
Virgin GalacticのSpaceline Missions＆Safety部門を率いるMike Moses氏は、以下のようなコメントを出しています。
今回の実証飛行で集計したデータによって、宇宙へと歩む道が開かれ、ひいては商業宇宙旅行のスタートへと大きく前進するものとなるだろう。
すでに2年前、Virgin Galacticは米連邦航空局（FAA）より、宇宙旅行ビジネスを営むライセンスを取得済み。
2021年7月には創業者のRichard Branson氏を乗せ、上空50マイル（約8万400m）の高さまで飛行して、宇宙空間に近い場所から地球を眺めるフライトが可能であることを実証していました。
それから紆余曲折はあったものの、テスト飛行が再開され、VMS Eve、VSS Unityともに順調に仕上がってきているようです。
ちなみにこの飛行機からのロケット発射、Virgin Orbitの場合では｢安価｣｢燃料節約｣｢天候に左右されず柔軟に対応できる｣などがメリットとされていました。商業宇宙旅行を目指すVirgin Galacticだからこその取り組み。逆境に負けず、このままなんとか前進していって欲しいものですよね。
Source: Virgin Galactic
